産地とブランド

どこから来たのかを、いちばん大きく書く。

英国の棚では、日本のものも台湾のものも韓国のものも、まとめて「アジアの雑貨」として並びます。つくった国も、つくった人の名前も、そこでは消えます。Crazy Cherry はその逆をやります。産地は、商品の説明の最後に付ける注記ではなく、商品そのものです。

四つの産地

それぞれの棚に、それぞれの理由があります。

日本から

日本

主力です。ガチャのキャラクターチャーム、アクリルスタンド、缶バッジ、ブラインドボックスのフィギュア、地域限定や期間限定のお菓子。狙っているのは有名フランチャイズの棚ではありません。英国にはすでに正規の売り場があり、そこに私たちが並べる意味がないからです。置きたいのは、英国の店がまだ一度も扱ったことのない小さなメーカーの作品です。

棚の中心。ぬいぐるみも、ここから来ています。

台湾から

台湾

イラストレーターのアクリル、手づくりのビーズチャーム、フレークシール、デザイン文具、そして知る価値のある台湾のお菓子。英国には台湾のキャラクターグッズの売り場がひとつもありません。これは競合の少ない市場という意味ではなく、市場そのものが存在していないという意味です。

Crazy Cherry の入口。作家ご本人から直接いただく作品が多い棚です。

韓国から

韓国

フォトカード、アルバム、ペンライトと、その周りの小さなもの。英国にも同じ音楽を聴いている人はたくさんいて、その人たちの棚だけが空いています。

K-popの棚。小さくて、持ち歩けるものから並べます。

英国でつくる

英国

自社でつくる服は Cherry Wardrobe の名前で出します。英国で描き、英国でつくるので、これも「英国から」と書きます。リボンを通したハーフジップと、ピンで留めるラップスカート。産地の書き方は、他の三つとまったく同じです。

襟のネームに入るのは、店ではなく服自身の名前です。

産地カード

一点ごとに、名刺のようなカードが付きます。

誰がつくったのか。どこでつくられたのか。なぜこれを選んだのか。この三つを書いたカードを、商品ごとに入れます。

英国の買い手にとって、台湾のイラストレーターの名前も、日本の小さなメーカーの名前も、最初は知らない名前です。知らない名前を、知らないまま渡さないための紙です。作り手にとっては、自分の名前が英国の棚に一緒に届くという意味になります。

本棚の前に座るピンクのクマのぬいぐるみ。
ブランドフィルムの静止画

値段の話

見た金額が、そのまま支払う金額です。

ページに出ている価格には、英国内の送料まで入っています。受け取るときに追加で請求されるものはありません。カートで足された数字が、最後まで動かない数字です。

箱を開けたときに最初に目に入るのは、値札ではなく産地カードです。誰が、どこでつくったのか。私たちが面白いと思っているのはそこで、その一枚は全ての商品に付きます。

棚の育て方

広げるより、深くします。

四つの産地を薄く並べるより、ひとつのメーカーの作品をきちんと置くほうを選びます。小さな棚でいちばん効くのは点数ではなく、一点ずつの理由だからです。

だから産地は、いちばん大きく書きます。どこから来たのかは、その色や大きさと同じで、その商品そのものの話です。